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【お知らせ&雑感】
売れに売れて納期が凄まじくなって、お待たせしている「MD80Ⅱ」、そこに生産能力に集中させるべく、あおりを食う形になってしまいましたが、モキのユニークさを誇ってきたタテ型デザインストーブ「IILA」、廃版だそうです(在庫限り、あと6台)。
製品を世の中に広めようと一生懸命開発したのに、すごく気の毒ではありますが、でも、モキ製作所の製品が売れない理由はデザインなんかじゃない、と言い続けた私としては、IILAを捨ててMDシリーズに注力するのは、モキ製作所としては本来の、あるべき姿への回帰ではないかと思うのですが……
一方で、残念には思うのが、クッキングストーブMC95の廃版(それ以外にも5製品が廃版になりますが、問い合わせが弊社には一度もなかったので割愛します)。MC95ですが、製造にむちゃくちゃ手間がかかっているストーブで、これがこのお値段というのは、使い勝手や性能も含めて、モキの良心、お得すぎる製品だったのですが……(残りあと2台)
私も、結局、一度もユーザーさんに勧めることはなかったです。
なぜなら、薪ストーブでオーブン料理、夢があってとてもいいのですが、どれだけその本来の性能が必要とされる場面があるか?という意味でのニーズと、手間というか価格も含めた「大変さ」は、見合うケースはなかったので……
毎日毎日、薪ストーブでピザ焼きたい、クッキー焼きたいという方なら、良いんですが、ちょうどの(300℃とかの)熱を、器具全周に回す、いわゆるオーブン調理器具的能力を担保させるというのは、超アナログな薪ストーブという燃焼装置としては、凄まじく面倒すぎたといいますか……
だって、普通に考えてみてください。ただの木が燃えている炎です。炎は、エネルギーが集中された激しい熱源です。それが薪ストーブの本質。それを、どうやったら全周(上も、下も)にきれいに熱が回る状態に持っていけるのか??
ピキャンオーブンって、ご存知ですか?有名なストーブです(右上のリンク)。憧れの方も多いと思います。でも、実際には、「できる」ということと、それが準備を含めてどれほど容易に達成可能か、どれほどの労力でその「できる状態」を維持できるか、は別問題です。本来上へ上へと昇る煙を、下にぐるっと導く、言うが易し、実際にはどれほど困難を伴うか……
可愛らしいペットを飼うのと一緒かもしれません。美しい熱帯魚でもいいです。見た目は非常に素敵ではありますが、その準備と、継続維持まで考えたら……
なにしろ薪ストーブって、やっぱり、ごく普通に使うだけでもハードル高いと思います。ピキャンオーブンを、その性能がちゃんと発揮され続けるように維持し続けて使い続けるのは、私レベルの人間に言わせれば到底無理、至難の業です。
薪ストーブに憧れる人ほど、憧れるがゆえに、現実を知らないがゆえに、そういう「上級者」向けのストーブを求めたりするのは……………
その点、モキ製作所、クッキングストーブMC95、良いストーブでした。ピキャンオーブンよりは、ずっとずっと現実的に使えるものでした。それでも、多くの人に勧められるかというと……そこまでのニーズは、なかったかなと。
全国のユーザーさんが欲しいものを現実的に、かつ、最も効果的に叶える。メーカーの責務であり、代理店の責務です。今回の製品ラインナップの整理は寂しくはありますけど支持しますし、本日、メーカー、モキ製作所の製品開発の若き仕掛け人が、弊社を訪ねてくれたのですが、ちゃんと、まっとうな情熱を持っていました。
ユーザーさん発「iGブースター」製品化など、世間のニーズを捉まえることでは、いち代理店に先行されっぱなしだった(?笑)メーカーとしてのモキ製作所ですが、これから、選択と集中もしながら、メーカーらしく製品開発の形で反映させてくることになりそうです。それこそが、メーカーとしての正しい役割です。
私の方も、ユーザーの皆さんと接する第一線である販売業者として、現場の皆さんの声をメーカーに届けながら、逆にメーカーとしての動きもお知らせしながら、全国のユーザーさんのニーズがより合理的に満たされるよう、微力ながら注力して参りたいと思いますので、今後ともご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
以上、モキ製作所の製品ラインナップ整理のお知らせ&それにちなんだ雑感でした。 |