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山口さま
ご返事が遅くなってしまいまして申し訳ありません。
ご質問の高気密住宅の件に関しましては、本当に諸説入り乱れている状態で、私は、以下に述べるような空気の量的考察から実際には本質的でない(吸気ダクトの設置を要するストーブは高気密でなくても燃えにくく解決としても疑問)と思うのですが、ここでは「モキにおいては」として回答いたします。
結論の数字だけ列挙していきますが、薪ストーブで木が1キロ燃えると排ガスが5立米弱発生します。燃やすための空気量は、それよりも少なくて4立米弱になるかと思いますが、仮に5立米、室内の空気を吸い込んだとしても、1時間で3キロ燃やしたとしても1時間で15立米です。
1時間で15立米というと大きいと思われるかもしれませんが、実際には直径100ミリのパイプファンの一番小さいやつで充分達成できる程度の排気です(右上のリンク)。すっごい静かで微妙な排気です。
https://sumai.panasonic.jp/air/kanki/119/pipe_ventilation/
もう少しイメージのために言えば、フルコントロールの第一種換気システムにおいてさえも、床面積140平米、天井高は平均2.5平米の場合の全排気量は200立米程度、150~250立米程度の調製機能を持つシステムが採用されるそうなので15立米というのは「普段の調製範囲内」に収まります。
第三種ならなおさらで、要するに「薪ストーブのために」何かのダクトシステムを要求するのは気密とは無関係、無視して構わないとお考えいただいて結構です。
唯一、高気密住宅&第一種換気システムの場合、台所換気扇のオンオフと吸気が連動していないと、台所換気扇を強にしたとたん、薪ストーブにとっては対処不能の負圧が発生するので、その場合は外気導入システムも有効ですし、そもそも連動していれば、やはり外気導入システムは特に意味はありません。
では、外気導入は全く意味がないかというと、実際にはモキでも、室内が暖かく、屋外が冷え込んでいる状態からの着火、「ゼロスタート」では意味があります。
室内が暖かいということは、空気は軽いわけです。それに対して煙突からつながる外気は重い。薪ストーブの扉を開けると、重い空気が重量に従い煙突を伝わって、室内側に降りてきます。逆流の流れが最初から生じている状態ですね。このままで不用意に着火すると「えらいこと」になります(笑)
この着火時逆流を防ぎ、重力バランスを取る目的で、重い空気を薪ストーブに着火前に導入しておく、外気導入システムはその手段になり得ます。でもそのための手段はいくつかあるので、私は、外気導入システムはデメリットもあるし「特段不要」という考えです。
あと結露については仰る通りです。石油ストーブに比べたら最大というほどのメリット、実に快適ですので、お勧めいたしますよ~~~
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