「百聞は一見に如かず」お客さまの手によるドキュメント映像
このページでは、仕事をする私たちとしての「思い」を以下述べますが、他のページと同じくかなり長文です。「この会社(人)はどうなのか?」をお知りになりたい中で、早いのは、お客さまからどう見えるか?という情報、しかも映像です。
私たちが古民家のリフォームの一環として薪ストーブを設置納品した際の、実際の仕事ぶりがこちらの8分半ほどのドキュメント映像からご覧いただけます。
とても楽しい映像作品(ノエフォトビジュアルズさんというプロの手によるもの、私は撮影されていることを全く意識しておらず、作品の内容にも一切口を挟んでおりません……というか冒頭でヘッタくそな楽器演奏まで披露してしまっています、恥ずかしい(笑))ですし、現場での素の雰囲気がよくわかるかと存じますので、長文をご覧いただく前に、まず、こちらをどうぞ!!
私たちが目指しているもの
「愛しい人の平穏な暮らしが、これからもずっと続きますように」――環境保全に関わる会社での社会貢献活動が母体となった私たち(社名に由縁を残しています)は、そんな願いを具現化するべく、暮らしそのものの持続性、それから暮らしのベースとなる豊かな自然環境の永続性に寄与することを目指しています(マスコミ媒体によるインタビュー記事はこちら)。
しかし私たちは、環境保全に関する長年の経験から、そのような「正しいこと」は、真面目な努力や義務感だけでは決して続かないことを思い知らされてきました。実際に実現すべきものは、まず実利であり、それを継続的に産み出せる仕組みなのです。
薪ストーブは、暖かさや調理その他において、暮らしの中で最高ともいえる実利を継続的に産み出してくれます。そして薪ストーブを使い続けて頂くことで、木に触れ、森や生態系(命のつながり)に思いを馳せ、自然界で生み出された命を無駄なく使い切って活用して頂く暮らしをして頂けるようになります。
それはひいては適切な森林利用、すなわち森に光を入れて生態系を活性化させることに繋がり、同時に暖房のためのエネルギー源としての化石燃料(それを消費して生み出される電力を含む)の消費を削減し、異常気象を少しでも緩和させ、結果的に人間社会の永続性を向上させることに、小さくとも具体的に寄与することになります(なお、薪ストーブの負の面である煙公害についての見解はこちらに示してあります)。
薪ストーブを、そのように実際に使い続けて頂くためには、何よりも導入が適切に行わなければなりません。薪ストーブの適切な導入のために最も大切なのは「その人」ごとに持っている「こう楽しみたい」という素直な欲求であり、「こう暮らしたい」という望みです。それらにしっかりと沿った薪ストーブの設置設計がなされていることが、実際に使い続けて頂くために最も重要なポイントになります。
すなわち薪ストーブの設置設計は「その人、その人の望むゴール」から逆算して行います。そもそも自然の生き物である木というものの性質は実に多種多様です。それらを薪という燃料に加工して活用する薪ストーブでの暮らしは、実際に大変幅広く、知的で、また興味深く、本来とても楽しいものなのです。
「薪として、どんなものを手に入れて、どう暮らしたいですか?」――具体的には、このことがゴールになるのですが、薪ストーブに具体的に触れた経験でもなければ、なかなかイメージも沸きにくい部分です。でも、ここが設置設計ではとても大切になります。
例えば、次に述べる3つの暮らしは、同じ「薪ストーブの暮らし」でも、実際にはずいぶん違ってきます。種類のみならず、実際どれだけ手に入るか、量によっても違ってきます。
- その気になればどんどん手に入るスギやアカマツのゴロゴロ丸太を元手に組み立てる暮らし
- 造園屋さんからときどき頂く伐採庭木や建築屋さんから頂く端材等を元手に組み立てる暮らし
- ナラやカシの薪を購入して、あるいは原木としてそれらを特に選んで手に入れて組み立てる暮らし
例えば「太い薪をじっくり長時間燃やして、ゆったり楽しむ」という、薪ストーブの楽しみとしてよくイメージされる暮らしは上記の例の中では3つめです。これは観賞価値は高いのですが、実際に暮らそうとすると、暖房性能や調理性能としては厳しく、ランニングコストも含めて日常の主暖房としてはなかなか成立し難い場合もよくあります。
薪ストーブの設置設計は、どんな薪ストーブを、どこに、どんなふうに設置すれば良いのか?という全体像を決め、結果的に望む暮らしを手に入れるためのものです。暮らしというものが、特別なイベントではない長期継続的な日常である以上、設置設計は薪のことはもちろん、長期的で全体的な様々なことに配慮されていなければなりません。
例えば、薪ストーブ本体を家の中のどこに置き、煙突をどこからどうやって屋外に導き、その固定を確実にするか?という問題は、家そのものの重要性能――防火、雨漏り防止、気密、断熱等々――に対して、薪ストーブを実際に使う、使わないに関わらず大きく影響しますし、実際に使うことで近隣との人間関係に大きな影響を及ぼすこともあります。
結局は、薪ストーブによって実利を継続的に産み出すためには、まず「こう楽しみたい」「こう暮らしたい」という、その人ならではのイメージを具体化して頂くことから始まって、設置設計において暮らし全体を見渡しながら課題を洗い出し、長期の想定を尽し、さらに課題や想定に対応した設置設計を実際に具現化していくプロセスにおいても、確実な結果が合理的に(つまり、より低いコストで)得られるよう全力を尽すということが必要となります。
以上、私たちが目指しているものについて述べてきました。暮らしの持続性、豊かな自然環境の永続性に資する「薪ストーブのある暮らし」は、その全体が合理性に貫かれ、無理なく、自然で、美しいものでなければなりません。何より「その人」の信条や個性に合ったものでなければなりません。
そのような「薪ストーブのある暮らし」を出来るだけ多くの方に始めて頂くべく、私たちは、日々精進を心がけ、誠心誠意お仕事をさせて頂きます。これからも益々のご指導、ご鞭撻、そしてご愛顧のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。